「ダイアトニックコード」がわかるとメリットがたくさん。だけど、名前もカタカナで長いし難しそうでとっつきづらそうな感じがします。勉強しようと本など見ても、何やら難しそうな説明だらけでやる気が出ない…という方に向けて、簡単に楽しく説明していきたいなと思います。
ダイアトニックコードがわかるメリット
「ダイアトニックコード」がわかるようになると、メリットがたくさんあります。
1.耳コピに役に立つ。
2.作曲や、ちょっとした、例えば曲のイントロ作る時などにも役に立つ
3.曲を演奏しててミスが減る
4.曲を暗譜するのも早くなる。
5.移調も簡単にできるようになる。
…と、びっくりするくらいメリットがたくさんあります。
耳コピや作曲をしたい方には必要不可欠の知識といえます。
そうでなくても、わかるようになって損は無いです。
まずは一言で説明!「ダイアトニックコードとは」
では、まずは、一言で説明したいなと思います!
ダイアトニックコードとは
そのキーの中で、よく使う7つのコードのことです!
キーとは?
キーというのはCのキーとかハ長調とかっていう カラオケで♯♭ボタンを使って変えられる 曲の高さのことです。
その、それぞれのキーの中で、7つ、よく使うコードがあるのです。
実は、簡単な曲だったらその7つのコードだけ使えば、1曲弾けちゃいます。
そのくらい、よく使うコードです!
学校に例えて説明
では、今から学校に例えて説明していきます。
学校のクラス 1年A組に、30〜40人の生徒がいるとします。
ですが、その中で、目立つ人ってそんなにいませんね。
7人目立つ生徒がいるとします。
音楽の世界でも、コードの数はたーくさんありますが、
特定のキーの中でよく使うコードって実はそんなになくて、7つだけなのです。
そして、学校の中で目立つ人たち。学級委員だから目立つ人もいれば、かわいくておしゃれだから目立つ子もいる。不思議ちゃんキャラだから目立ってる子もいる。目立つ理由はそれぞれです。
それと同じように、7つのダイアトニックコードにはそれぞれ違ったキャラクター、特性があります。
そして、学校のクラスメイトそれぞれに、田中くんとか鈴木さんとか名前がついているように、ダイアトニックコード7つにも、それぞれ名前がついています。
I(一度)、
IIm(二度マイナー)
IIIm(三度マイナー)
IV(四度)
V(五度)
VIm(六度マイナー)
VIIm(♭5) (七度マイナーフラットファイブ)
という名前です。
ちなみに、こういう、ファイナルファンタジーみたいなローマ数字を使って表します。(ディグリーネーム)
では、今から1人ずつ見ていきましょう!
I(一度)
まずは一度のコードです。
キーCでいうと、Cのコードになります。
そのキーの基準のコードなだけあって、
Cをじゃらんとならすと、どっしり落ち着いた感じがします。
私の中では、一度くんは学級委員でみんなの中心人物!というイメージです。
では今から、独断と偏見による私の中でのダイアトニックコードそれぞれのイメージを、妄想を膨らませながらご紹介していきます!笑
IIm(二度マイナー)
二度マイナーは、キーCでいうとDmのコードです。
二度マイナーちゃんはみんなの相談に乗ってあげたりするやさしい子です。
IIIm(三度マイナー)
三度マイナーは、キーCでいうとEmのコードです。
三度マイナーちゃんは副学級委員で真面目な子です。
IV(四度)
四度は、キーCでいうとFのコードです。
四度ちゃんは不思議ちゃんキャラでふわふわしていつも自分の世界に入ってるマイペースな子です。
個人的に、一番好きです!笑
V(五度)
五度は、キーCでいうと、Gのコードです。
五度ちゃんは、一度くんのことが大好き!いつもどこでも一度くんのところに行きたがってます!
VIm(六度マイナー)
六度マイナーは、キー Cでいうと、Amのコードです。
六度マイナーちゃんはかわいくてちょっと生意気で目立っています。
VIIm(♭5) (七度マイナーフラットファイブ)
七度マイナーフラットファイブはキーCでいうBm(♭5)のコードです
七度マイナーフラットファイブくんは一匹オオカミ!でナルシストです!
三和音と四和音のダイアトニックコード
と、上記の7人ですが、
三和音でのダイアトニックコードをご紹介しました。
それぞれのコードに、ルートからみて7度の音をプラスした、四和音バージョンもあります。
三和音に、ルートからみて7度の音をプラスした、四和音。
私の中では、それぞれの人物(キャラクター)に、「おしゃれな服を着せた」というイメージです。
服が変わっただけでそれぞれの人物(キャラクター)は変わりません。
※イラスト本当はおしゃれな服着せたかったけど難しくて描いてません笑 みなさまの頭の中でそれぞれの人がおしゃれな服着てるところ想像してあげてください!笑
イメージをすることはすごく大事
と、面白おかしくイラストを書きながら私の中のイメージを書いていきましたが・・
これ、実はものすっごく大事なことです!!!
ダイアトニックコードそれぞれの役割とイメージを結び付けることができるようになれば、覚えの速さが何倍にもなる上に、
演奏する時、作曲する時、耳コピする時、移調する時、ありとあらゆる音楽に関する行動がものすごくしやすくなります!
私の妄想はともかく!(笑)みなさまそれぞれのイメージを膨らませてみていただけたらなと思います。
ダイアトニックコードの理解が深まる、おすすめの練習方法
あなたの大好きな曲のコード進行をまず紙に書きます。
そしてそのコードネームの横にI、IIm などと書き込んで下さい!
そして、そのダイアトニックコードそれぞれを鳴らしながら、「あぁ〜ここがIか〜やっぱりね、ずっしり感あるよね〜」などと、イメージを膨らませてみてください。
毎日ちょっとずつやることで、ダイアトニックコードの感じが掴めてきて、
だんだんとふと流れてきた曲が今 何度のコードなのかがわかるようになってきます。
するとしめたもので、耳コピ、作曲が楽にできるようになり、
曲を弾いていても今どんな役割のコードを弾いているのかが常にわかるので、ミスをしなくなります。
移調も簡単にできるようになります。
動画での説明はこちら
以上、文章で説明させていただきましたが、
こちら、動画でも説明しています。
実際にコードの音を鳴らしながら説明しています。動画もご覧いただくと、よりわかりやすいと思います。ぜひご覧ください!
ダイアトニックコードの成り立ち
以上、簡単な説明でしたが、ここからはちょっと難しい内容です。
ダイアトニックコードが一体どんなふうに作られているのか、成り立ちをみていきましょう!
ダイアトニックスケールそれぞれの音をルートにしてコードを作る
ダイアトニックコードのお話の前に、まず、「ダイアトニックスケール」はわかりますか?
↑こちらの記事でも書いたのですが、「ダイアトニックスケール」とは基準の音から「全音・全音・半音・全音・全音・半音」で音を並べたもののことです。キーがCだとしたら「ドレミファソラシド」のことです。
この、「ドレミファソラシド」それぞれの音をルートにして、コードをつくると、「ダイアトニックコード」となります。
※ルートって何?
ルートとは、コードの中の一番低い音のことです。
根音、ベース音ともいいます。
コードの基準となる音で、リーダーみたいなものです。
ケーキでいったら土台のスポンジです。その上にいちごや生クリームをのせているわけです。
詳しくはこちらの動画もご参照ください。
コードトーン(和音構成音)とは
ではでは、今から実際に、ダイアトニックコードをつくっていきましょう!
ダイアトニックコードができる過程
まず、「ダイアトニックスケール」それぞれの音「ドレミファソラシド」。ルートこと、各コードのリーダー、ケーキでいったら土台のスポンジになる人たちです。
では、五線紙上に整列してもらいます!整列!!!!!
↓五線紙上へ
ルートに、3度の音を重ねる
では次に、
このルートたちに、ルートに対して3度の音を重ねます。
- ルートの、隣の音は2度。
- ルートの、2つ隣の音は、3度です。
たとえば、ドに対して3度の音は、ミになります。
ではでは、重ねてみます。
そこにさらに、5度の音を重ねる
お次は、ルートに対して5度の音を重ねます。
- ルートの、4つ隣の音が5度です。
- 先ほどの、3度の音の2つ隣でもありますね!
例えば、ドに対して5度は、ソになります!
さぁ、重ねてみましょう♪
じゃじゃじゃん!
C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)、の7つのコードができました!
ダイアトニックコード、Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm(♭5)ですね!
ダイアトニックコードは何かに似ている(笑)
でね、この、五線紙に書いたダイアトニックコード・・・何かに似ていませんか?
そう、おだんごそっくりですね!!!(笑)
ルートに対して2つ隣、そのまた2つ隣の音を重ねた結果、こうなりました。
ダイアトニックコードはおだんごって覚えましょう(笑)
そして、ここに、5度の2つ隣の音「7度」を更に重ねると、
「四和音」のダイアトニックコードになります。
以上、ダイアトニックコードの成り立ちでした!
ダイアトニックコード(3和音) 一覧表
それぞれのキーでの、ダイアトニックコード(3和音) 一覧表です。
I | IIm | IIIm | IV | V | VIm | VIIm(♭5) | |
KeyC | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm(♭5) |
KeyD♭ | D♭ | E♭m | Fm | G♭ | A♭ | B♭m | Cm(♭5) |
KeyD | D | Em | F♯m | G | A | Bm | C♯m(♭5) |
KeyE♭ | E♭ | Fm | Gm | A♭ | B♭ | Cm | Dm(♭5) |
KeyE | E | F♯m | G♯m | A | B | C♯m | D♯m(♭5) |
KeyF | F | Gm | Am | B♭ | C | Dm | Em(♭5) |
KeyG♭ | G♭ | A♭m | B♭m | C♭ | D♭ | E♭m | Fm(♭5) |
KeyG | G | Am | Bm | C | D | Em | F♯m(♭5) |
KeyA♭ | A♭ | B♭m | Cm | D♭ | E♭ | Fm | Gm(♭5) |
KeyA | A | Bm | C♯m | D | E | F♯m | G♯m(♭5) |
KeyB♭ | B♭ | Cm | Dm | E♭ | F | Gm | Am(♭5) |
KeyB | B | C♯m | D♯m | E | F♯ | G♯m | A♯m(♭5) |
m = – = min
(♭5) = (-5)
※本や人によって書き方が変わりますが同じ意味です。
↓jpgデータはこちら
ダイアトニックコード(4和音) 一覧表
それぞれのキーでの、ダイアトニックコード(4和音) 一覧表です。
I△7 | IIm7 | IIIm7 | IV△7 | V7 | VIm7 | VIIm7(♭5) | |
KeyC | C△7 | Dm7 | Em7 | F△7 | G7 | Am7 | Bm7(♭5) |
KeyD♭ | D♭△7 | E♭m7 | Fm7 | G♭△7 | A♭7 | B♭m7 | Cm7(♭5) |
KeyD | D△7 | Em7 | F♯m7 | G△7 | A7 | Bm7 | C♯m7(♭5) |
KeyE♭ | E♭△7 | Fm7 | Gm7 | A♭△7 | B♭7 | Cm7 | Dm7(♭5) |
KeyE | E△7 | F♯m7 | G♯m7 | A△7 | B7 | C♯m7 | D♯m7(♭5) |
KeyF | F△7 | Gm7 | Am7 | B♭△7 | C7 | Dm7 | Em7(♭5) |
KeyG♭ | G♭△7 | A♭m7 | B♭m7 | C♭△7 | D♭7 | E♭m7 | Fm7(♭5) |
KeyG | G△7 | Am7 | Bm7 | C△7 | D7 | Em7 | F♯m7(♭5) |
KeyA♭ | A♭△7 | B♭m7 | Cm7 | D♭△7 | E♭7 | Fm7 | Gm7(♭5) |
KeyA | A△7 | Bm7 | C♯m7 | D△7 | E7 | F♯m7 | G♯m7(♭5) |
KeyB♭ | B♭△7 | Cm7 | Dm7 | E♭△7 | F7 | Gm7 | Am7(♭5) |
KeyB | B△7 | C♯m7 | D♯m7 | E△7 | F♯7 | G♯m7 | A♯m7(♭5) |
m = – = min
△ = M = maj
m7(♭5) = m7(-5) =
※本や人によって書き方が変わりますが同じ意味です。
↓jpgデータはこちら